2009-73
10代の頃、必殺シリーズ中でも仕置人に多大な影響を受けたということで親近感を抱いている井土紀州監督の新作。
実在の事件を題材にインスパイアされた映画だそうだが、ストリーは完全にオリジナル。
ある目的のため、自分の名前を捨てて暮らし続けてきた女。最後まで本当の自分を明かさず息を引き取った女。彼女の過去を追う内に見えてきたものは何か。
監督自身が
インタビューで答えているように、かつての日本映画にあった社会派ミステリーにオーソドックに真正面から取り組んだドラマ。題材からしてかなりの期待を持っての鑑賞となった。
で見終えた今なんだけど、妙な違和感が残ったまま。けどこの違和感や消化不良気味のナニかが残る映画だからこそいい映画だったと思うし、井土監督が映画を通して投げかけたものを受け取った証ということなんだろう。
それが何であったのかは、これから少しずつ考えていきたい。
決して啓蒙くさくならず、センセーショナルに犯罪を取り上げるわけでもない犯罪ミステリー。いや犯罪を題材にした人間ドラマ。
見ておいて損はしないよ。
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