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カティンの森

2010-8

構想から映画化まで50年の月日を要したというアンジェイ・ワイダ文字通りライフ・ワークの力作。

西からナチスドイツ、東からソビエトに攻め入られ占領されたポーランド。

ソビエトによる捕虜となったポーランド将校の大量虐殺と、終戦後虐殺をナチスの仕業とするソビエトの言い逃れを表向きでは受けざるを得なかった戦後ポーランドの2重の悲劇。

本当のことなんか言えない、言えば殺される社会の悲劇。自由の尊さ。

「地下水道」「灰とダイヤモンド」の時代、もうひとつの物語。

反戦や社会主義者の犯罪を声高に糾弾するのではなく、暗い色調と重厚なドラマで見せるワイダの力量。

ラスト延々と続く、銃殺シーン。まるで自分もあの狂気の現場の列に並ばされているような息苦しさ。

エンドクレジットの無声の重々しさ。

見ておくべき映画のひとつ。



http://katyn-movie.com/pc/
僕がこれまで見てきた映画の中でのNo.1はワイダ「灰とダイヤモンド」。いい加減DVD化されてもいいんじゃないかと思うんだけど。




by runcomeplus | 2010-02-01 23:59 | 映画部
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