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カテゴリ:図書係( 20 )

2015年の4冊

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コミックを除いて今年読んだ本が44冊。2年前に「今年読んだ本はたったの62冊と例年の半分程度」って書いてたんで、今年は更に減って例年の1/3程度ってことになります。。その中から印象的な4冊を。

●高橋源一郎 X SEALDs「民主主義ってなんだ?」
いわゆる白本。2015年は安保法案とSEALDsの年でした。そしてSEALDsを通して高橋源一郎に再び出会った年でもありました。彼の言説により、自分の中でもやもやしたものが把握できるようになったし、いちいち腑に落ちる。

●前田敦子「前田敦子の映画手帖」
本数もそうですが、見るべきところをしっかり見てて関心します。来年こそは名画座でばったり遭遇できますように!

●大石始「ニッポン大音頭時代」
全く新しい視点での音頭論。本自体もメチャ面白かったんだが、出版記念イベントでラフィン・ノーズのチャーミーと隣同士に並び各地の音頭の動画を見てたってのも今年の想い出のひとつです。

●本橋信宏・東良美季「エロ本黄金時代」
エロ本を過去のものとして懐かしむ時がきたというは寂しい気もするが、あの文化に出会い通過してきたことは幸福なことだったなと実感できた一冊。出版記念のトークショーに行けなかったのが心残り。
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by runcomeplus | 2015-12-31 15:52 | 図書係

ジャスト・キッズ

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パティ・スミスが、自らの筆でロバート・メイプルソープとの運命の出会いから
死別までを綴ったロマンティックな物語。

NYを代表するロックシンガーになるなんて思ってもいない文学少女と、カメラに
なんて興味もなかったアーティスト志望の内気な美少年。

ロバートがホモセクシャルに目覚めてからも精神的なパートナーとしてお互いを
求めあった二人。

食べるものにも不自由する貧しく若い二人が、チェルシー・ホテルに流れ着いて
からの話が、まるであの時代の青春を追体験するみたいにスリリングで 面白い。

ギンズバーグに男の子と間違われナンパされる話、ジャニス・ジョップリンやジ
ミ・ヘンドリックスとのエピソード、ファクトリーやマクシズ・カンザ ス・シ
ティ・・

そして二人はロックシンガーとして、カメラマンとして、それぞれの成功への道
を歩んでいくが、ロバートはエイズと共に死の道へも歩んでいくことに なる。

魂の奥底で結ばれた二人の最後の別れは、あまりにも悲しく涙なしでは読み進め
なかった。

表紙の写真は、二人がタイトル通りまだ何者でもなかったとき(パティがジョーン・バエズを意識したヘアスタイル)、コニー・アイランドの観光客相手のカメラマンに撮影してもらった写真。読後あらためて見るとグっとくるものが。

全米図書賞受賞も納得の一冊でした。


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長年に渡りNYの文化を生んだチェルシー・ホテルも、残念ながら一昨年2011年に
休業。

1994年初めてNYへ旅行したとき、チェルシー・ホテルのロビーには立ち寄ったが
宿泊しなかったことを、今更ながら後悔してる。
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by runcomeplus | 2013-02-08 21:53 | 図書係

金曜官邸前抗議

2012年の記憶、毎週金曜日夕方6時から8時までの2時間、首相官邸前そして国会前で行われている反原発抗議行動。

この官邸前抗議の主催者首都圏反原発連合の主要メンバー野間易通氏「金曜官邸前抗議」と、その抗議行動に一市民として参加してた漫画家いましろたかし氏の「原発幻魔大戦 首相官邸前デモ編」の2冊を年明けに読んでいた。

どうやってあの抗議行動が生まれ、大飯再稼動を契機に規模が膨れ上がり、行動の中からどのような問題が生じ、どういう考え方で対処したのかを抑制のきいた冷静な語り口で書き記した前者。

日々の怒り苛立ち恐怖不安をストレートに描く後者。

どちらも2012年、特に夏の暑い官邸前の重要な記録であり記憶である。

規模の拡大と共に主催者に対し、色んな批判も出てきた官邸前抗議行動であるが、こうして読み返してみると、色んな問題に対し反原連のスタンスが正しかったことが確認できる。

そして抗議行動は今も続いているのだが、ピークは過ぎたとはいえ、確かに去年の春よりも多くの人が今でも毎週金曜日、くそ寒い中集まってきてるのだが、春は30代40代がメインだったのに対し、今は50代以上の方たちがメインになっているのが気がかりである。

あの夏、あの盛り上がりでも再稼動は止められなかったし、何も変わらなかったと若い世代が失望や絶望しているのではないかと。

そういう人には、政治や社会は何も変わらなかったかも、あなたの政治や社会を見る目は変わったでしょう?そのことが大事なんだよと言ってあげたい。

まだまだ長い道程の始まりでしかないし、いましろさんがいう「めちゃくちゃが止まらねー・・・・」は現在進行形なのだ。

決して諦めないことが大事。
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by runcomeplus | 2013-01-20 22:58 | 図書係

レッキング・クルーのいい仕事

正月休みは、この本を読んで過ごしていました。
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「レッキング・クルー」とは、時にはフィルスペクターなど大物プロデューサー御用達のセッションミュージシャンとして、時にはビーチボーイズなどロックバンドの影武者として、60年代から70年代前半にかけ、ロスのレコーディング・スタジオでロック・アンド・ロール黄金時代を支えた20人程の職人ミュージシャンたちの通称。

音楽的素養があり、プロデューサーやアレンジャーの意向を具現化でき、ちょっとしたアイデアでヒットする要素を曲に宿らせ、
「サーフィンUSA SURFIN’ USA」 ビーチ・ボーイズ
「ビー・マイ・ベイビー BE MY BABY」 ロネッツ
「ふられた気持ち YOU’VE LOST THAT LOVIN’ FEELIN’」 ライチャス・ブラザーズ
「ミスター・タンブリン・マン MR. TAMBOURINE MAN」 ザ・バーズ
「夢のカリフォルニア CALIFORNIA DREAMIN’」 ママス&パパス
「明日なき世界 EVE OF DESTRUCTION」 バリー・マクガイア
「アイ・ガット・ユー・ベイブ I GOT YOU BABE」 ソニー&シェール
「ネバー・マイ・ラブ NEVER MY LOVE」 アソシエイション
「ビートでジャンプ UP, UP AND AWAY」 フィフス・ディメンション
「ウィチタ・ラインマン WICHITA LINEMAN」 グレン・キャンベル
「真夜中の誓い MIDNIGHT CONFESSIONS」 グラス・ルーツ
「マッカーサー・パーク MACARTHUR PARK」 リチャード・ハリス
「ミセス・ロビンソン MRS. ROBINSON」 サイモン&ガーファンクル
「ボクサー THE BOXER」 サイモン&ガーファンクル
「遥かなる影 (THEY LONG TO BE) CLOSE TO YOU」 カーペンターズ
「明日に架ける橋 BRIDGE OVER TROUBLED WATER」 サイモン&ガーファンクル
「イエスタデイ・ワンス・モア YESTERDAY ONCE MORE」 カーペンターズ
「追憶 THE WAY WE WERE」 バーブラ・ストライサンド
といった世界的ヒット曲を生み出しながら、影武者として存在自体は隠されレコードにもクレジットされず表舞台には立つことのなかったミュージシャンたち。

この本は、そんなレッキング・クルーの主要メンバーや関係者への膨大なインタビューを元に、彼ら個々人がどのように音楽に出会い、カリフォルニアに辿り着き、レッキング・クルーの一員となり、そして消えていったのかの半生記と、名曲誕生の時、スタジオで何が起きていたのかを記したもので、期待以上に面白く興味深く読めた。

大滝泳一、山下達郎、萩原健太等々この時代のアメリカの音楽の研究家からの聞きかじりでレッキング・クルーについて知ってるつもりになってたけど、きちんと読んでみると「へー」の連発。

全てのアーティストが自分達のレコードをレッキング・クルーに委ねるのを良しとしていたわけじゃなく、自分達の曲を自分達の演奏で録音したいと訴えた場合もあって、その顛末なんかもちゃんと紹介してある。まさにショウビズ。
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by runcomeplus | 2013-01-07 21:18 | 図書係

80年代アメリカ映画100

日記は諦めました。。。

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「80年代アメリカ映画100」
就職のため九州から上京してきたのが1984年の春。ちょうどミニシアター・ブーム始まりの頃で(シネヴィヴァン六本木が83年、シネセゾン渋谷が85年オープン)、やはりこの時期の映画、「ストレンジャー・ザン・パラダイス」や「パリ、テキサス」「レポマン」などが印象深い。

ただミニシアターではヨーロッパ映画が好んで取り上げられていたので、当時はアメリカ映画より多くのヨーロッパ映画を見ていたんじゃないだろうか。

明るくない未来を描いた傑作SF「ブレードランナー」と「未来世紀ブラジル」の2本も、印象深い作品。ただブラジルはアメリカ映画っていう認識じゃなかった。

「ブレードランナー」は公開時は見逃していて(熊本じゃやらなかった?)、福岡の大学に通う友人に散々話だけは聞かされていた作品。84年の初夏頃かな、吉祥寺の2番館で上映してて、これ幸いと仕事帰りに夕食のハンバーガー買って最終上映に3日間通って観た覚えがある。

ミニシアター上映だったか、記憶がないがリンチの「ブルー・ベルベッド」も外せない1本。

てな感じで、自分にとって印象深い80年代アメリカ映画を10本あげると(順不同)

01.ストレンジャー・ザン・パラダイス
02.ワイルド・スタイル
03.ブレードランナー
04.未来世紀ブラジル
05.ブルー・ベルベッド
06.イヤ・オブ・ザ・ドラゴン
07.ストリート・オブ・ファイアー
08.ワンス・イン・ア・タイム・イン・アメリカ
09.スカーフェイス
10.ドゥ・ザ・ライト・シング

次点:スタンド・バイ・ミー

かな。

ウィルター・ヒル「ロングライダーズ」、シドニー・ルメット「プリンス・オブ・シティ」はもう一度ちゃんと見直してみたい。
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by runcomeplus | 2012-05-03 09:12 | 図書係

ドン・ウィンズロウ「犬の力」

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昨年ついにエルロイのアンダーワールド・USAシリーズ三部作完結「アンダーワールド・USA」(Blood's a Rover)の翻訳版が出て読み終えた。

1998年の第一部「アメリカン・タブロイド」翻訳版から14年。小説としてはJFKからニクソンの時代までのアメリカ裏社会史を読み終えた時は充実感と共に、もうこの暗黒の大河ドラマの続きを読めないのかと寂しさも感じた。

そこで今年は「かつていちども清らかであったことのないアメリカ」に関する小説、アンダーワールドUSAを補完するような小説を読んでいこうと思ってる。

その第一弾として選んだのが、ドン・ウィンズロウ「犬の力」。これも30年に及ぶメキシコ麻薬戦争を描く上下巻にわたる血みどろの大河巨編だった。

下克上のメキシコ麻薬組織、ラテンアメリカ共産ゲリラと反共勢力、右翼のならず者、裏で糸を引くCIA。

ヒスパニックと白人のハーフで、ゲットー育ち、CIAとしてベトナム任務経験を持つ麻薬捜査官と、叔父が築いた麻薬カルテルの後継バレーラ兄弟の戦いを主軸に、NYヘルズ・キッチンのアイルランド移民の若者、イタリア系マフィアの下っ端、カリフォルニア育ちの美貌のコールガール、異端の解放派司教、主要登場人物がどれも魅力的で、濁流に飲み込まれていくかのように裏社会に巻き込まれていく背景説明も丁寧で面白い。

特に上巻では本筋とは一見無関係そうなNYのアイルランド移民の青年が殺し屋の道へと追いやられるエピソードがせつなくていい。

一見無関係そうな彼らの人生が交差し、物語は一気呵成に転がっていく。

人生を狂わせた一発の銃弾と人生を変えるための一発の銃弾。

そしてエルロイのアンダーワールドUSA三部作同様、これも三人の男達の物語だったと知る。カタルシスなんてないダークでビターなノワール絵巻。

読み終わるのがもったいないくらい面白かった。

けど、現実の麻薬戦争は、まだまだ続いているんだよな。
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by runcomeplus | 2012-02-05 11:25 | 図書係

Movie&Books of the Year

①映画「サウダーヂ」
http://www.saudade-movie.com/
2010年映画一揆瓦版から楽しみで仕方なかった映画。土方、移民、HIPHOP、期待を上回る圧巻の出来でした。

②市川森一「幻日」
http://www.bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2169983
亡くなられたからではなく、今年読んだ日本の小説で一番面白かった。九州・長崎に近いところで生まれ育っているのに、意外と知っていそうで知らなかった「天草・島原の乱」の物語。市川さん脚本での映像化も見たかった。

③ジェイムズ・エルロイ「アンダーワールドUSA」
http://hon.bunshun.jp/articles/-/84
海外小説ではコレ!『アメリカン・タブロイド』『アメリカン・デス・トリップ』に続く待ちわびた三部作完結編。「アメリカが清らかだったことは、かつて一度もない」で始まった暗黒の裏社会史の行き着く先が贖罪と純愛とは!
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by runcomeplus | 2012-01-02 16:47 | 図書係

デウスエクスマキな食堂09冬号「台東定食遺産」

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ぶらりとタコシェに立ち寄り、購入。

すっかり昭和な居酒屋やモツにホッピーなお店がブームな昨今、一見このミニコミもその手のガイドブックかと思われるかもしれませんが、台東区の中でも古い町並みの残る東上野一帯の昔ながらの喫茶店ランチと浅草の洋食屋の定食に絞り、更に赤線跡や看板建築、銭湯などを紹介する目の付け所がシャープな一冊。どこもここも今の内にと思わせる店や街並みばかり。この本片手に昼食散歩に出かけたくなります。

更に浅草ホッピー通り厳選の3店も紹介されてるので、散歩帰りの一杯も店を外すことなく楽しめると至れり尽くせりw

この本で知ったけど今はなき代々木の中華屋精華の看板メニュー純レバー丼って元は浅草名物だったんだ。

バックナンバーもそろえたくなったな。
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by runcomeplus | 2010-02-09 17:04 | 図書係

犬なら普通のこと

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矢作俊彦・司城志朗コンビ25年ぶりの新作ということだが、じゃあ溝呂木省吾名義の「半島回収」はなんだったんだとの思いもありますが、ゴールデンコンビの復活素直に喜ぶべきでしょうね。

舞台は沖縄、主人公は沖縄生まれのハーフの中年ヤクザ。半端でぬるい現状を打破するために仕組んだ博打のような現金強奪と海外逃亡。脇を固める登場人物も一癖もふた癖もあるし、魅力的なヒロインも出てくる。銃や車など小道具の薀蓄も充分。

と、いつもなら寝る間も惜しんで一気に読んじゃいそうなものなのに、なかなか読み進むエンジンかからず2ヶ月くらいかかってようやく読了。

なんだろう、昔日活が作ったヤクザ映画のような悪くはないし実際面白いんだけど、求めていたのはこれと違うという違和感が残ったまま。

暫くインターバル置いて再読すると違うのかなー。。ってことで桜の咲く頃再読してみます。
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by runcomeplus | 2010-02-09 13:47 | 図書係

源にふれろ

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連休を利用して久々に小説を読んでました。根が単純で物語の世界に深く入り込んじゃうんで、仕事が休みのときじゃないと中々小説読めないんだよね。

読んでたのは東良さんがブログで紹介していたケム・ナン「源にふれろ」。

1984年に出版され1986年に翻訳本が出ていて、その後文庫化もされているんですが、残念ながら現在絶版中の本。こんなとき公立の図書館ってホント便利。

80年中期というと、「レス・ザン・ゼロ」や「ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」が話題になり、どちらも僕も読んでたけどホントに読むべきはコレだった!青春時代に出会いたかったよ。

幼少の頃母親に連れられてきた砂漠の町から一歩も出たことのない気弱でパっとしない青年が、ある若者の訪問を機に消息を絶った姉を探しにカリフォルニアのハンティントン・ビーチへ向かう。若者によると、姉は三人の男たちとハンティントン・ビーチからメキシコに旅行に行き、帰ってきたのは男たちだけだったという。その三人の男は地元のカリスマ的サーファーらしい。彼らに近づくために初めての海で見よう見まねのサーフィンを始めた少年は、街のもう一人の顔役と出会う。街に蔑まれ踏みにじられていた田舎モノの少年が、恋と友情を知りひと夏を通し成長していくと書くとありがちな青春小説のようだけど全然違う。少年は成長の過程でドラッグも覚えセックスにも溺れる。理不尽な暴力も目の当たりにする。そして知らぬ間にカルトに巻き込まれていき・・。読後のほろ苦さも含め良質のハードボイルド小説でもあるという不思議な魅力のある本です。

この本のおかげで、全然夏らしくなかった今年の夏だけど、夏の終わりの切なさだけは満喫できた。これからも折々に読み続けたい小説に出会えてよかったよ。

いつかハワイかロスのビーチで波の音を聴きながら読むことが出来たらな。
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by runcomeplus | 2009-09-25 10:32 | 図書係