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ハスラーのタンゴ

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ルイス・フューレイ

1949年カナダ・ケベック生まれ。幼少の頃からピアノとバイオリンの英才教育を受けたクラシック少年。その才能を買われニューヨークのジュリアーノ音楽院へ進学。

しかしニューヨークの街でクラシックなんかよりスリリングでイカシタ文化に出会いドロップ・アウト。

ヨーロッパのデカダンスの匂いがするタンゴやワルツなどをベースとした猥雑なキャバレーミュージック。

同性愛者やポン引き、バックストリートの堕天使たちの唄。

A&Mの社長でもあったハーブ・アルバートが「お前の曲は大嫌いだが、お前は世に出さなきゃいけない存在だ。」と契約の場で語ったのは、ちょっといい都市伝説。

そんな彼の音楽に出会ったのは、デビューから遅れること5年、1980年になるかならないか、僕がまだギリギリ10代だった頃だと思う。

当時熊本の繁華街の外れにあった小さな輸入盤屋。店内のカウンターで淹れたてのコーヒーものめ、ちょっと先を行った音楽好事家のサロンのようなお店だった。

そしてまだ10代だった僕には、色んな音楽や人との出会いがあった学校のような店でもあった。

彼の音楽も、その店で出会い当時最も世話になった人から教えてもらったものの一つだ。

その出会いは強烈だった。

やさぐれたインテリという風貌、一度聴いたら忘れられない声。

「俺のことレイプしたいと言ったね、いいさ好きにしていいんだぜ。ただし、金をきっちり払ってからだ。天使との取っ組み合いの準備は出来てるんだぜ。」

彼の代表曲でもある"Hustler's Tango"(男娼のタンゴ)の出だしの歌詞である。

「さあ、決断して入ってくるんだ。これが俺のマジックサークルだ、入っておいでよ。」

ルー・リードよりもセルジュ・ゲンズブールよりも甘美で危険な匂いがした。

彼の世界に入りこんでから、かれこれ30年。

これまで生きてきた月日の半分以上の時間、身近に聴きつづけてきた彼が奇跡の初来日を果たす。

25年近く、ソロ名義だと30年以上も自身のアルバムを出していなかっただけに、まさに奇跡の来日だ。

近年裏方業に徹していた彼が突然表舞台に立ったのが去年の9月。

地元モントリオールのジャズフェスティバルで、2部構成のソロリサイタルを開いたのだ。

ルイスを含め2人のピアニストと2人の女性ボーカリストという編成。ボーカルの一人は娘のクララ・フューレイ。

出会った当時から薄かった頭部はすっかり・・すっきりしてしまったけど、独特の声と歌は健在。

まさか生で彼の歌が聴ける日がくるとは思ってなかった。

ストーンズの初ライブ以来のワクワク感かも。

会場が普段はアマチュアのビジュアル系バンドが出ているライブハウスってのが一抹の不安。場所も高田馬場だし。。こんな音楽こそ、コットンクラブのような箱で楽しみたいのに。

↓去年9月のライブ


Hustler's tango
words & music Lewis Furey

you say you want to rape
rape me baby
and well you know you've got
you've got to pay pay
the match is fixed, setup
setup all ready
you're going to wrestle with
with an angel

do you wanna make a deal
ah c'mon my friend
do you wanna make a deal
my brother, my lover
do you wanna make a deal
wanna work with me

c'mon decide.....enter
this is my magic circle.....enter


lewis furey myspace
http://www.myspace.com/lewisfurey




そしてルイス・フューレイ以上に20才目前の僕の魂を鷲づかみした奥さんのキャロル・ロールも同行してくる。

彼女についてはまた次回。
by runcomeplus | 2009-03-13 21:01 | 音楽部
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